クリア後感想その1。ゲーム全般について語ってみます。
ネタバレありで書きますので、購入前にどんな感じか知りたいという方にはお勧めしません。
これを書く前に、
ティアクライスにおける自分の感想を見てきました。
うーん、と。
幻想水滸伝シリーズとして考えると色々言いたいことがあるのは仕方のないとしても、ティアクライスの流れとしても、やっぱり多少厳しい評価になる…かなあ。
●システムについてまずは伝承システム! これと連携は非常に良かったです。
同じ職業でもこの伝承を受けられるのはこのキャラ、別の伝承を受けられるのは別キャラ、と分かれている時がありましたが、これも良かったですね。個性が出てます。
自分の場合はメインで使うことの多いキャラには全技伝承させたかったので、キャラ同士の伝承にかなり時間を取られましたが、それも楽しみの一つと思えば。
また、エンカウントが少なくて済むのも良かった!
こういうの、何て言うんですっけ? 敵の居場所が最初から分かっているので避けることも出来る。
エンカウントによって感じるストレスというのは無いに等しかったです。イラッとしたのはシダス村でロドリクを守ってる(笑)アレと、アピロ丘陵でソラブ達を守ってる(笑)あいつらです。ソラブ達の場合は、一度だけ通り抜けられたんですけどね…。帰り道で捕まりました。
そろーっと通り抜けようとしたのに、ハッと気づいて駆け寄って来られた時のドキドキ感ときたら(笑)。
ロード時間は長かったです。慣れましたが。
ティアクライスがほぼロード時間なしのストレスフリーだったので良くやった!と思ったものですが。ロード時間があってもドット絵が走ってくれたので、許容範囲内です(笑)。
移動は、もうちょっと納得がいくようにして欲しかった。
ああいう移動方法なら、日数や季節が変わっても良かったと思う。
どう考えても街から街へテレポートしてるとしか思えない場面が多々……
トビラでも使ってたんですか……
一番不満が大きかったのは
本拠地です。
歩きまわらせて……!! 仲間と会話する場所をください!
厨房? あれは特別な組み合わせでイベントが発生する以外は
独り言パラダイスじゃないですか!
レギウスとザヴィドが出てきた時なんか、2人とも
口を開きすらしなかったよ!
「お、ツムック。調子はどうだ?」程度でいいんです。 会話したいんです。
「ツムックたん、元気でやってる? スウたんもどっかんどっかんがんばってるよー」でいいんです!
なんで
過去の人たちと会話ができて本拠地の仲間とそういう会話ができないんですか…!!あ、本拠地に入るとご飯を食べない限り出られないのが地味にストレスになることがありました(^^;
●戦闘システムについて魔術、呪術、弓術が魔石、呪石、弓矢を変えられるのは良かった。
ただ、「真理の雷!」と言いながら突風が吹いてたりすると違和感がある(笑)。
あと、これによってキャラの戦闘上の個性がだいぶ薄まった気がします。クレオと言ったら火魔法、ルックと言ったら風魔法、テッドと言ったら水魔法…みたいなものがなくなった。それが寂しいのでミュラには火魔法、ゼフォンには氷魔法を多用させてましたが。
ただ、戦闘中にアイテム使用が出来ないのが本当~にきつかった。
イリアかモーディが倒れたらアウトじゃないか…。イリアは回避が高かったので助かりましたが、大事な場面でモーディが「痛いわぃ」と言って戦闘不能になった時……「こっちが痛いわ!」と叫び返しましたw
アイテム使用が出来ないから、薬使いはパーティーに入れざるを得ないのがorz
●音楽について端々に幻水シリーズ定番の曲をアレンジしてくれていたのが嬉しかった。
けど実は、すごく良い!!と思ったBGMは少なかったり…。
一番好きなのは森羅宮の人たちとの戦闘BGM。次がエスニックな雰囲気のBGM。
●喋る主人公についてティアクライスの感想と同じ。文句ありません。
今回の主人公は精神的に大人なので声ナシでもいけたんじゃないかな、とは思うけど。
いっそみんな喋らなくてもいいんじゃないかなー…なんて…思ったりしてませんよ…
ミュラは喋るとキツイ印象になるよね(^^;
●ストーリーについてプレイ日記のはじめの方を見てもらえれば分かりますが、「自分の都合の良いように過去を変えて現在の問題を解決する」という方法は、ぶっちゃけ好きではありません。ゲームの否定になりかねないなこの台詞w
ただ、クリアしてみたら、なるほどこれで良かったんだと思えるようになりました。
過去に介入するのは嫌だなと思うことは、相手の思うツボなんですもの…。
本来現代だけで宿星集めが済むはずだったところを時代を飛び回らなくてはいけない羽目になったのは、相手が宿星を時代を超えて散らばらせたせいなんだもの…。
108人集めると仲間たちがそれぞれちゃんと自分たちの未来を掴むことが出来たのが非常に良かった。
ノーマルEDはちょっと切なかったので…。だって新天地に旅立ってるのは現代の仲間だけで、過去の人たちは現代の自分たちのためにいろいろ動いてくれる戦後だったからね。
ストーリーは中盤になってからは意外性もあって良かった!
謎がひとつひとつほどけていく過程も面白かったです。
ただ、300年前とレネフェリアスに関してはもっと語ってくれても良さそうな気がする。
中盤から後半にかけて面白かったのに、最後の最後になって失速した感が否めない。
妄想で補えってことですか。まあゼフォン絡みも含めて
エサはたくさん与えられてる気がするので、時間があればこの不満は解消されるかも。
身近な人が考え方の違いから道を違える結果になる…ということもなかったですね。
主人公は母親の死に絡んでアイオニアに思うところもあったけど、精神的に大人なおかげで葛藤することはなかった。悲惨な出来事はいくつもあったんですが、切なさを感じる場面は少なかったのが残念。
幻想水滸伝という枠で考えると、多様な種族や国がひとつの目的の下に集う…という歴代と同じ流れは確かにある。確かにあるんだけど、いま一つ心に響きませんでした。それは、天の宿星36人にだけ言えることで、過去の宿星たちには同じくする目的が感じ取れなかったせいだと思います。
自分の技を教えようとしたら伝承が起き、「自分も宿星だったんだ」と驚く…という展開が多かった。ただ伝承のためだけに存在したようなキャラが多かったのが、とても残念です。
●キャラクターについて戦闘キャラの人数が少なすぎやしませんかね!?せっかく6人パーティーに戻ったのに!
ティアクライスは4人パーティーなのに108人の大部分が戦闘メンバーで、それはそれで悩ましかったのですが(笑)、紡時の
18人はないよ18人は!!
伝承のマイナス点として、同じ職業の人がたくさん必要になったことがあると思う。各職業、現代2人+過去4人の構成になってますよね。唯一の例外が料理人で、現代4人+過去8人。
108人中12人も料理人かよ!! 多すぎだろ!!サポートメンバーとして戦闘に加わって欲しかったなー。
伝承に関係ない面白い能力の持ち主がいても良かったと思う。
あとは、ストーリーのところでも書いたけど、伝承のためだけに存在するような宿星が多かったのが残念。
彼等のことはどうしても「仲間」とは思えない。
特に
「故人」!!
日記でも書いたけど、宿星が時間を超えて存在するなら、故人はおかしい。その人に星が宿ったのは、「これを後世に伝えよう」と思った生前であるはずでしょう。
しかし、「後世に伝えよう」という意志すら抱いてなさそうな人も結構いる。
一番納得がいかないのはメズワルです。立ち寄ったホドス村でワフディに薬術書を奪われた、それだけで宿星になるの!? 「その後」でも本人は何のために奪われたのか分かってなさそうだと言われてるじゃないですか。
伝承はありがたいけど、仲間と思えるかと言われたら
答えは否です。オルマールもそうですね。タラシオなんて
本を書いただけじゃないですか。
船大工さんの方が何倍も仲間だと思えるよ!!現代の仲間は、一応仲間だと思えます。「仲間になった!」という表示が出た時点ではええ~と思っても(リュセリ、ザヴィド等)、その後はイベントやご飯でちゃんと仲間と思えるような会話がある。
でも過去の仲間で仲間と思える人は……少ないですね。残念ながら。
余談ながら。
これまで述べ人数で108×6、敵側と合わせたらさらに100くらいはいきそうな人数が登場したので仕方ないとも言えますが、
今回とにかく覚えにくい名前が多かったです……●過去作とのからみについてこれを別項目で書く必要はあるのだろうかと思いつつ。
まず、ナンバリングとは完全に別世界なので、同じくナンバリングと完全に別物だったティアクライスと比較します。
私は、ティアクライスは「宿星」に焦点を当てて別構成を打ち立てた作品だと思ってます。
今回も「宿星」に焦点が当たってますね。『宿星とは何ぞや?』という直球の質問と、それに対する解答までありました。
しかし、紡時は「宿星」に目を向けるあまり、「仲間」が疎かになった作品だと思います。
この点、幻水4は「宿星?なにそれおいしいの?」状態だったので、どっちもどっちと言えますが…。仲間意識はもう少しほしかったな。
過去作との比較について。
幻水シリーズのお約束、というものがあります。
最初に出会う敵はもさもさかふさふさ。
軍の名前や本拠地の名前を決める時に誰かが必ず「オレンジ」を提案する。
決戦前にみんなを集めて「われらに勝利を!」がある。
決戦前夜、みんながそれぞれどう過ごすかを見せる「決戦前夜イベント」がある。等々。
新章を謳いながら、ティアクライスまでは引き継がれてました。
「もさもさがもさもさしてねえよ!」と(おそらく)各所で突っ込まれつつ、もさもさはいました。本拠地の庭でも飼ってました(笑)。
オレンジ役はリウでした。
決戦前夜はそれまでのナンバリングとは違う趣向でしたが、私は大好きです。
今回、「われらに勝利を」以外をバッサリいきましたねえ……
オレンジがどれだけ重要かと言ったら「今回のオレンジ役は○○かーw」という程度のものでしかありません。でもそれくらいでしかないんだから、誰かに言ってもらっても良かったんじゃないかなと思うのですが。
決戦前夜がないのは寂しいとしか良いようがない。
あれは、いつも主人公-キャラで把握する関係を、キャラ-キャラで把握することの出来るイベントなんですよ。横の関係が見えてくる。それによって「この人とこの人は仲が良いんだ」とか、「この人は主人公のいないところでこんな風に考えていたんだ」とか想像が広がる。
それによってキャラが立ち、愛着も湧くんです。
探偵も占い師もウワサ好きもいないのに、さらに決戦前イベントもない……
主人公以外のキャラ同士の関係が見えて来ないのが残念でした。
ラスカリスとリスティルは甘酸っぱかったに違いないんだ。それをエフィルが扉の陰から眺めてひゅーひゅーやって追い返されたりしててもおかしくないんだ。
決戦が終わったら…という会話をしてて、イリアがリュセリに「ドレスも似合うと思いますよ?」と言ってリュセリが真っ赤な顔で否定しつつ嬉しそうでもおかしくないんだ。
主人公がアストリッドに会ってた時、砦に呼び出されてたレーテがゼフォンと物陰で会話しててもおかしくないんだ。
デューカスとジャグワンがジョッキで飲み交わしててもおかしくないんだ。
庭の片隅で月を見上げているザヴィドにレギウスが「…眠れないのですか?」と声をかけてたりしててもおかしくないんだ。
そういうのが見たかったのにーーー!!●最後に総じて厳しい評価になりましたが、面白かったですよ。
特に中盤以降はかなり楽しんでました。ストーリーのところでも書きましたが、展開に意外性があったので飽きが来ない。
ただ、2周目をやるかと言われたら……サブイベントやミニゲーム要素も少ないので何とも……
なお、1周目のプレイ時間は、66時間半。クリアレベルは80。
終盤のみ2回やったので、その時間を含めて上記のとおりです。
キャラ語りに関しては、また改めて。
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