「零~月触の仮面~」、1回目のプレイで「序の蝕」終了。
序章ということで、ここまでのあらすじを書いておこう。
・・・説明書は読まずに(笑)。
「序の蝕」までの範囲でストーリーネタバレしまくりです注意。
~「序の蝕」~
日本のどこかにある孤島、蝋月島。
この島に存在していた村は10年以上前に滅び、今や住人がいない無人の島。
その蝋月島にある「蝋月館」と呼ばれる洋館を、2人の少女が訪れていた。
麻生海咲と、月森円香。
共に17歳の彼女達には、ある共通点があった。
それは、10年前に行方不明となっていたこと。
発見・保護されるまでの記憶がないこと。
そして、彼女達が発見されたのは「蝋月館」であったこと。
失われた記憶が気になりながらも、思い出すことに忌まわしさを感じていた円香が、既に廃墟となっている館にやって来たのは好奇心のためではない。
円香や海咲と共に神隠しに会い、一緒に保護された5人の少女のうち2人が、17歳になって次々に変死したのだ。それも、両手で顔を覆うという異様な姿で。
5人そろって失っている記憶。それを思い出さなければいけないと言ったのは海咲だった。さもないと、
「神隠しにあった子供が、順番に----」
「やめてよ!」
耳を塞いで叫ぶ円香。
嫌々をするように首を振り続ける円香を一瞥すると、海咲は彼女に背を向けた。
顔を上げ、決意の篭った視線を館の奥へ投げかける。そして、思い切ったようにスタスタと歩きだした。
その後を追おうとした円香は、突然断片的な記憶のフラッシュに襲われた。
蝋月館、着物を着て両手を振り乱して踊る女性、それを取り囲む少女、苦悶の表情、鳴り響く不協和音・・・・・・
・・・・・・我に返ると、いつの間にか海咲とはぐれて一人になった自分を発見した。
「海咲・・・?」
問いかける声に、応えはない。
早く海咲と合流しなくては。そして、一刻も早くこの島から逃げなければ。
言いようもない恐怖に襲われながら、円香は自らも蝋月館の奥へと続く一歩を踏み出した。
2つ目の扉を開くと、廊下の先に海咲の姿を見つけた。
彼女の姿は声をかける前に吸い込まれるように部屋へ消え、扉がバタンと音を立ててしまってしまう。
円香がその部屋に辿り着いた時には、部屋には鍵がかけられ、中から何の反応も感じることができなかった。
海咲が入っていったのは「麻生記念室」と呼ばれる部屋。円香は案内板に表示されていた「管理室」へ、突然現れては消える看護婦の霊の後を追うように向かい、鍵を手に入れた。
そして再び麻生記念室へ。
鍵を手に、扉へ手を伸ばしかけた時、ふいに右側から視線を感じた。
身体が固まる。
やがて、ゆっくりと、ゆっくりと、顔を右へと向けていった。
ほとんど同時に。
廊下の奥に佇んでいた人影が顔を上げた。
ゆっくりと首が傾き、徐々に表情が見えてくる。
----そして、真っ青な顔をしたその霊と円香は、まともに目が合った。
小さく悲鳴を上げ、急いで鍵を開けて部屋の中へ滑り込んだ。
勢いよく扉を閉めるとそのまま背を預け、ずるずるとへたり込む円香。
扉についている窓の下まで頭が沈んだ時、女が部屋を覗き込んできた。
まさに間一髪。
ぎょろりと部屋を見渡した女は、円香の姿を見つけられないと知ると、そのまますうっと消えていった。
「もう嫌・・・こんな所に、もういたくない・・・!」
せっかく入ることができたのに、海咲の姿は既にない。
さらに別の部屋へ続く扉があったが、その鍵は閉ざされていてまたしても入ることが出来ない。
すがるように部屋を見渡した円香の目に、ある物が留まった。
側にあった手記によれば、それは「射影機」と呼ばれるモノ。
この世にあらざるものを映すことができ、それによって除霊のような効果を得られるという。
ファインダーを覗き込んでみる。
丸く切り取られた視界が、ズームによって拡大される。
そのまま部屋を見渡すと----何の前置きもなく、突然ファインダー越しの視界いっぱいに、女の顔が現れた。
反射的にシャッターを切ると、霊の金切り声が部屋中に響いた。
円香は急いで部屋の奥へ行こうとするが、海咲がいるはずの部屋の扉はやはり開かない。
彼女は、自分が入ってきた扉へと視線を移した。
逃げなければ。
逃げなければ。
一刻も早く・・・!
だが、彼女は扉を開けることは出来なかった。
震えながらドアノブへと伸ばされた手は、横から伸びてきた白い手に掴まれる。
ゆっくり振り返った目の前に、先ほどの女の顔があった。
「かえして・・・」
ほとんど同時に何体もの霊が現れた。
右と左と正面から円香を取り囲む。背中は壁だ。
「かえして・・・」
「かえして・・・」
繰り返される、低い呟き。伸びてくる、幾本もの真っ白な手。
----円香の身体が、ズルリと床に崩れ落ちた。
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~「一の蝕」以降~
神隠しにあった5人の少女。
17歳になった時、そのうちの2人が死んだ。
苦悶に身をよじらせ、両手で顔を覆いながら。
残りの3人のうち、2人の少女が島へ向かった。
一人は冷徹な決意を抱えて館の中を進んでいく。
一人は恐怖にうち震えながら友を探し歩き、そして消えた。
その少し後。
最後に残った少女が蝋月島へと向かう。
島へ向かうと告げたまま音信の途絶えた友を心配し、そしてまた自らの記憶を探すために。
そしてさらに、彼女を追うように一人の男も蝋月島へと向かう。
少女を守るために。過去にの島で何があったのか、その犯人を捜すために。
元警官である彼は、神隠しにあっていた5人を発見した人物でもあった。
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というわけで、海咲、流歌、長四郎という3人の視点からシナリオを進めていきます。
現在、序の円香が終わって、主人公の一人である流歌のターン。
「あの島には行かないで」「思い出さない方がいいこともある」と母親に止められたのに来ちゃいました。
お母さんの言うことは聞こうぜ…!
つーか円香がショックだよ~…
あんなにビクビクしながら、海咲を探して館の中を歩き回ったのに!
最後の方の円香は半泣きだったぞ(;ω;)
なんで置いてったんだよう、海咲ー!!
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